「実況ジェネレータ2008」日本のウェブコンテンツは職人気質、そして日本の映画と日本のベンチャー企業って似てる、から発展して1兆くらい投資したらいくらのリターンがあるか考えた

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いやはやこんなものが出来ていたとは知らなかった。
アクセスしてもらうとわかるがオンライン上の動画(eyeVio上の動画)に用意されている実況音声をタイムラインにそって並べていくという強烈に手間がかかっているであろうFlashによるウェブアプリである。

よくもまあここまで作り込むものだ。
制作している人々には頭が下がる。

日本のウェブサービスの多くはアド系(ネット広告・プロモーション)のコンテンツとして制作される。

「なんとも時間と手間かかってるなあ」

と感心させられるものが多い。
それに対してアド系以外の独自なウェブサービスでは海外に大きく遅れをとっている。

たとえばTwitterなど仕組みは簡単だが日本のものではない。
Twitter以降、日本でも疑似サービスがわんさかとリリースされたが所詮コピーはコピーである。

Hot.Docs」というサービスが話題になったが正直なところ「Scribd」のコピーにしか見えない。

アド系だと「おー、これははじめてみるよー」という遊びが効いてて手間も暇もかかっているコンテンツが多いのにサービスになると急にコピーっぽいのが多くなるのはどういうことなのだろう?

私見だけれどクリエイター系、あるいはアーティスト系の人々がサービスの分野に入ってきていないのではないだろうか?

この間とあるベンチャー企業にいってきたのだがいきなり言われたのは

「ワレワレはとにかくはやっているもの、他者でもうかっているものを全てコピーする戦略なんです。そうやってチャリンチャリンを稼いでやりたいことをやれる土壌をつくるんです」

とのことであった。
理屈はわかるのだがなんとも現実的である。
話をききながら、このやり方だといつまでたっても「マトリックス」も「スパイダーマン」はできないんだろうなあ、と場違いなことを考えてしまった。
ネット業界と映画業界をいきなり比較するのは乱暴ではあるけれどなんか似てるなあと思わずにはいられなかった。

まあマトリックスやスパイダーマンが映画としてベストな作品だとは全く思っていないのだが産業としては尊敬に値する。

なにせ規模が国内をみてつくっているサービスとは段違(だんち)である。

例えばスパイダーマンの産業規模がどのくらいかご存知だろうか?
驚くなかれ、なんとたった一つのキャラが8000億円規模の産業をつくりだしているのである。

内訳はこうだ。

スパイーダマンの場合、映画とDVDで30億ドル(約3300億円)、マーチャンダイズとゲームで4000万ドル(約44億円)、衣料品のキャラクター使用料で10億ドル(約1100億円)、サントラとテーマパークでの使用料やらその他も含めると70億ドルー80億ドルくらいとのことである。

規模が尋常ではない。

うまくいっているビジネスの仕組みやコンテンツをまねるというのもひとつの戦略としては正しいのだと思う。何十人もの社員を養い、納税によって社会に貢献をしてるわけで僕なんかよりはよっぽど立派だ。

けれど坂本圭一氏の言葉を借りるならば

「5年後に100億の売り上げが目標だとしたら一年目の2億になんの意味があるのだろう?2億のやり方を拡大すればいつか100億に到達するわけじゃない。その視点では4年目までゼロでも5年目に毎年100億を超える売り上げを見込める戦略には永遠に気づかない」

という側面もある。(とはいえ市場自体が成長傾向にある場合、積み上げで100億以上を売り上げている会社もたくさんある、と思ったらそんなことはなく、途中で戦略転換してますね)

映画の例だと200億かけてつくってもその映画がどれだけの市場規模に広がるかは完成し公開するまで未確定である。しかし、そこから8000億につながる戦略を持っているのといないのでは公開後の展開が違う。8000億の戦略があるから200億もの制作費をひっぱってくることができる。

日本の映画は邦画バブルとはいうもののそのほとんどは国内需要によって達成された売り上げである。いい映画はたくさんあるけれど、いい映画をつくっている人に映画バブルの余剰は還元されていない。国内で成功する映画の戦略と世界で成功する映画の戦略は根本的に違うのだと思う。(ポケモンは一回だけものすごい成功があった。ただし、2回目は続かなかった)

映画だけではない。
日本の家電製品は高性能で品質もいいが世界市場ではハイアールやLGにかなわない。販売網を整えて正しいマーケティングを展開できていないのが理由と言われている。(B3Annexの「Newsweek記事、「Appleはなぜ日本企業ではないのか?」にみる日本論」というエントリーも参考になります)

話をネットの世界に戻すとこの構図はネットのサービスも同じなんじゃないかと思うのである。国内のほとんどのウェブサービスは日本の国内売上げによって成立している。それ自体は悪くないのだけれど、いつか天井にぶつかるのは明らかである。

もちろん、頭のいい人たちが日夜戦略を考えているわけだから、次の手はいろいろうたれているのだとは思うが「4年間はゼロ、でも5年目からいきなり100億」みたいな戦略じゃないと世界市場に打って出られないんじゃないか、とも思うのである。

例えばだけれどオリンピックとか道路とか記念館の公共事業を2年間に限定で凍結し(その間、建築の人はどうすんだ?という問題は後で考えることにしたい)、1兆くらいつっこんでコンテンツに関する狂気的な祭りというか制作・創作オリンピックみたいなものをブチかまし、権利はクリエイターに還元しちゃうってことにして、世界中のトップ中のトップだけを1000人くらい招集し日本でとにかくつくってもらう。一作あたりMaxを100億にして、100作つくる。条件は「日本」をからませること、全部じゃなくてもいいので必ず日本人のスタッフを使うこと。期間は3年くらい。

で、出来上がったコンテンツは日本国内の産業が使う分には使用料は無料。なんにもでつかってくれてOKってことにする。個人も企業も利用は全部フリー。さらにこれを使って派生するコンテンツの全てに継承履歴が残るようにしておく。ただし、儲かったら一定の割合を次回の祭り用に積み立ててもらう。これを幅広くグーグルのアドワーズみたいに世界中からチャリンチャリンと集めていく。
海外の人や企業がやりたい場合は日本に超してきてもらうと更に特典あり。みたいなことはバカげてるけれどこのくらいやらないとドカンと人は育たない。

さて、この1兆円の投資は50年プランで見た場合、いったい幾らになってかえってくるだろう?
プランとして動かした場合、投資したいって人は世界中にどのくらいいるだろう?
あんがい眉唾でもないと思うんだがね。

なにせ地上300メートルに都市をつくろうというプランプランを練ってる国もあるわけで。

日本のコンテンツ市場の規模は13兆7000億円。
一方、世界のコンテンツ市場は146兆3000億円。

この数字がじわーっと頭に広がっていくのであった。

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