アイナメのタタキと田舎の情報空間

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上記の写真は「アイナメのタタキ(味噌バージョン)」である。
アイナメは回遊業ではなく根魚である。
カサゴなども根魚に分類される。

根魚とは砂地ではなく「根」と呼ばれる海底の岩場に住む魚だ。
釣りの用語に「根がかり」とよばれるものがあり、これは「根」つまり海底や川底の岩や障害物に仕掛けがひっかかることを言う。

簡単にいうと海の底の障害物の多いところに住んでいる魚である。
現在、滞在している福島県の南相馬市近辺はアイナメやカレイがよく穫れる。
このあたりで収穫されたカレイは築地など都市部の市場に持ち込まれる。

先日、うちの父がアイナメ釣りに行った。
釣果はまあまあで40cmクラスが1本、30cmオーバーが4匹と20cmクラスが十数匹。
大きめの2匹を叩きにして早速いただいた。

味の方は抜群である。
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上記はアイナメを叩いたもの(刻んだもの)に味噌をあえた「味噌タタキ」である。

東京圏ではタタキに味噌をあえた「味噌タタキ」といった食べ方をみたことがない。
しかしこの調理法、アイナメには良く合う。
この「タタキ」を肴に父と深夜まで呑んでしまった。

今日で10日ほど田舎に滞在している。
その間に驚いたことがいくつかあるので書いておきたい。

ひとつはイベントの多さである。
田舎というと寒々とし、地味な生活を想像しがちだがそれは間違ったイメージである。
情報革命(ちょっと古いいいまわしだが)の影響はうちの田舎のような地域にこそ顕著にあらわれている。

両親はすでにケータイでの情報交換を常とし、趣味の登山に際してはネットで山情報をくまなく検索・調査した後に情報をまとめたシートを作成し持参することにしているそうである。山の仲間のネットワークも驚くほど大きい。100人近くの人間が所属する山岳クラブをベースに活動を展開しているとのことであった。

このように書くとバリバリにやり手な熟年夫婦というイメージを抱いてしまうがそんなことはまったくない。どこからどうみてもIT音痴、ネット音痴な両親でいまだに些細な操作でつまづく。ところが操作はよくわかっていないにもかかわらず会報をつくったり、写真を張り込んだ書類をつくっている。そして時々メールで写真がおくられてくる。

「PCがわからん」

と文句をいいながらこの種の活動をしているのだから驚く。
ヒヤリングしてみるとそれらの活動や制作は地域コミュニティの活動の為に必要な書類を作成しているのだとわかった。

また、こちらで過ごしてはじめてわかったが冒頭にも書いた通り、なにしろイベントが多い。
新年会、忘年会、部落の集会、こうした地域の行事が少なくとも月に数回はある。
うちの父に至ってはこの10日間で5日は忘年会である。
これが会社員なら話はわかるが父はすでにリタイアし悠々自適の日々である。
それなのに一日おきに忘年会。
昨日もビンゴ大会の景品の準備に追われており、すごく忙しそうであった。

更に驚いたのはアポなしの訪問が多いことである。
これはうちに限定した話ではなく地方の場合、アポなしでいきなり人が家にくる。
一日家にいるとだいたい5件は訪問者があらわれる。
何もしないで5人の訪問者というのはかなりの頻度である。
2時間毎に誰かが訪ねてくる。
更に電話がなる。

うちは事業をやっていない。
リタイアした熟年夫婦二人暮らしである。
にもかかわらずこれだけ電話やイベントや訪問者が多い。
しかし、これは特別なことではなくどこの家でも同じような環境であることがわかった。

この地域は人口密度は低いが逆に人と人が偶然性を有してリアルに接する機会が多い。
ケータイとインターネットによって外出が減るかと思われたがこれが逆に加速されている。
田舎の場合、誰かがくるかもしれない状況だと家でじっと「待つ」ことが強いられた。
しかし、いちど何かあればケータイで連絡ができる環境ができてしまうと状況は一変した。
みんな気軽にどこにでもパっとでかけていってしまう。

これがセレンディピティ効果をつくりだし、思わぬところで人と人がつながっていく。
非常に興味深い。

都市部の方が発達していると思っていたが情報の扱いに関してはこの地の人々の方が遥かに上手であるように思う。

どこにいくにも車は必要だが逆に車に乗りさえすれば20分もあればどこにでもいける。
渋滞もない。
なのでれといったストレスもない。
そしてこれが一番大切なのだが「メシがウマい」。

通信環境に関して言えば快適そのものである。
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いま僕はこのエントリーを無線LAN接続されたMacbookで書いている。
テーブルの上にはBootcampでWindowsの起動されたMacbookが置かれ、Napsterからはパットメセニーのサイレントムービーが流れている。

ある程度の情報スキルさえあれば都内にいるのとほぼ同じ開発環境、ネット環境を維持できる。
月に10日、豊かな地域で暮らす。
それによって質のことなる場の情報が脳をドライブさせる。

ちなみに昨夜はネットで探して「電脳コイル」を全話視聴した。
これも驚くべきことだ。

10年前に夢に見ていたような環境が確かに現実のものとなっている。

家屋は全く同じにも関わらず、全く別な場所にきているような錯覚に陥る。
おそらく次の10年の後にも、既視感にとらわれるだろう。
BCIがつくりだす未来は現実のものとなるだろう。
ただし、いまわれわれが思っているのとはだいぶ違うカタチでそれはやってくる。
より、違和感のない自然なものとして生活に入り込んでくるのだと自分は考える。

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コメント

  1. unos より:

    味噌たたきっていうと、なめろう、が一番近そうですね。でもなめろうは生臭い魚を食う手段なので、アイナメみたいなさっぱりした魚はもう少しライトな、それこそ味噌叩きくらいが旨そうです。