「沈まぬ太陽」と「ファニーゲーム」

日曜日から「沈まぬ太陽」をよみはじめた。
ようやく三巻の途中まで読み進んだのだが「御巣鷹山(おすたかやま)編」(「日航機墜落事故」が主題)は圧巻である。
この小説は小説の形体をとっているが事実に基づく話である。

作中で「NAL」となっている国民航空とは「JAL」のこのとである。

事故の描写は緻密を極める。
凄惨な事故現場のシーンを読んで現場で何が起こっていたのかをはじめて知った。

昨年公開された映画「クライマーズ・ハイ」も御巣鷹山の事故を題材とした小説/映画である。
「クライマーズ・ハイ」は事故を報道するメディア側の視点で描かれた作品で加害者(航空会社)側から書かれた「沈まぬ太陽」と合わせて読む(観る)と立場の違いによって事故の見え方にも違いがあることがわかる。

しかし双方の作品ともに事故や事故後の被害者のエピソードについては共通している部分もあった。
(僕はNHK版のクライマーズ・ハイしかみていないので近日中に映画版も観るつもりだ)

この事故は僕が6年生の頃に起こったのだが写真週刊誌に掲載されたヘリコプターにつり下げられた少女の映像がいまでも脳裏をよぎる。

歌手の坂本九さんもこの事故で亡くなっている。

追記:ホリエモンブログで123便のボイスレコーダーをフラッシュ化したものが紹介されていた。さきほど視聴した。映像はないがリアリティは凄まじい。3巻を読了した方は視聴して欲しい。


沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)


クライマーズ・ハイ (文春文庫)


クライマーズ・ハイ デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]

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週末に「ファニーゲームUSA」が観たかったのだが上映館が限られており、都内では渋谷でしか上映されていないようだった。

ミヒャエル・ハネケの作品は「ピアニスト」しか観たことがない。
これも強烈な作品であったが予告をみると「ファニーゲーム」はこれとは全く違う方法で脳をディストーションさせる演出がなされているようである。

昨日、オリジナル版のDVDをどうにか入手することができたがまだ観ていない。

ファニーゲーム [DVD]