映画「Cool Hand Luke(邦題:暴力脱獄)」 2009年最初の月からNo.1の映画を観てしまった

いまは亡きポール・ニューマンの作品である。
全く予備知識なしに視聴したが素晴らしいの一言である。

若き日のポール・ニューマンはあまりにもまぶしく輝いておりクラっとした。
「波止場」のマーロン・ブランドを彷彿とさせる。
スターと呼ぶにふさわしい存在感である。
石原裕次郎が登場した時もこんな感じだったのだろうか。

映画の内容も素晴らしかった。
最近のマルチスレッドな脚本とは全くリズムが違うため展開は遅い。

しかし作品にははっきりと時代の空気が刻印されている。
おそらくいまではつくることが困難なタイプの作品である。

洗車シーンやタマゴの大食いなど素晴らしいシーンも満載で飽きさせない。
が、それよりもポール・ニューマンをはじめ登場人物が口にする台詞のひとつひとつが粋だ。

序盤をみるかぎり

「ふーん、こんな風に対立構造をつくってそれがほどけていくことでスカっとさせる映画か」

などと思って観ていたがそんな単純な話になならない。
描きだすのは不幸でもないが幸福でもない。
より抽象的な概念へと迫っていく。

システムに組み込まれることへの批判ともとれる台詞が多数あるのだがそれらはシステムへの従属に対する批判でありながら、更にその奥にある「宗教」あるいは「神」というテーマへも踏み込んでいる。

ラストシーン。
4つに裂かれた美女を抱くルーク(ポール・ニューマン)の写真の継ぎ目が道路の十字と重なる。

印象的なシーンである。

それにしてもこんなにいい映画を今夜観ることができるとは思っていなかった。
このような未視聴の映画に出会えたことは幸運である。
この上ないよろこびを感じている。

追伸:作品の中でポール・ニューマンの母親役を演じているフリートは実はニューマンの6歳年上である。それでも母親役を演じきっている。また、劇中にでてくる囚人による舗装シーンでは実際に彼らが郡の道路を舗装した。


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