last.fm使ってますか?
last.fmというサイトをご存じだろうか?
イギリスのlast.fm Ltd.が運営しているインターネットラジオなのだが面白いのはここにSNSが融合されている点である。
もう少し詳しく説明するとlast.fmを利用しているユーザーは自分の聴いている曲の情報をlast.fmのサーバーに送る。last.fmはこれらの情報の海からAmazonのリコメンドシステムのように「オススメの曲」を見つけて教えてくれる。last.fmとはこうしたユーザーの行動をもとにしたリコメンドエンジンが実装されインターネットラジオである。
この種の音楽リコメンドサービスで最も精度が高いのは米国のPandoraである。
Pandoraの場合もユーザーの行動情報を反映させるが特徴的なのは音楽DNAと呼ばれる独自のデータベースに基づくリコメンドエンジンの存在だ。
音楽DNAデータベースとはPandoraの要であり、楽曲毎に人力で200程度の項目で構成されるメタ情報(音楽DNA )を付加していくことで曲と曲の間の関連性を浮き彫りにし、より精度の高い楽曲リコメンドを可能にしている。
ユーザーはPandoraにアクセスし、好みの曲名、あるいはアーティスト名を入力する。
(PandoraのUIはGoogle並にシンプルでわかりやすい)
するとPandoraは
「この曲に似た曲」「このアーティストに似たアーティストの曲」
を驚くべき精度で見つけ出し再生をはじめる。
我々が2年前にアミューズ社で秘密裏に進めていたのはこのサービスを更に推し進め「コンテクストベース」のリコメンドエンジンをつくりだすことであった。
音楽DNA部分を自動化し(AMGやGracenoteがやっているのと似ているけれどミュージックソムリエなどのサービスは精度に問題があった。そこで最高の精度でやろうと世界中の基礎技術をあたっていた)、「意味」(デジタル化されていない音楽にまつわるあらゆる情報。例えば西城秀樹が実はBon Joviの曲を学園祭で熱唱したことがあったなど)と「つながり」(liveplasma.comは外部DBのビジュアライズであって我々は基盤になるDBの構築を進めていた)を加えたデータベースの構築とDRMの呪縛を破壊する一撃をセットにしたサービスだ。
このプロジェクトを巡って業界やら組織との抗争が勃発したわけだがその話はいずれ同プロジェクトを一緒に進めていた盟友の津田君が書籍化してくれることだろう。
上記の構想や構造の核になるコンセプトは不変であり「情報の最適化」「ダイナミズムの拡大」はそこから発展した考え方である。
※ブログとその他のメディアで使い方を変えていこうと考えている。思考のストリームはTwitterへ移行し、ブログはパッケージよりの情報にシフトさせていこうと思う。