iTunes Movieレンタルで最初に借りたのは「イブの時間」

iTunes Movie
とうとう日本のiTunes Music Storeでも映画の配信が開始された。
最初は1000本程度と本数こそ少ないが国内でも数百万人以上が利用するiTunesというプラットフォームで映像配信が本格的にはじまったことは大きな出来事である。

PS3ストアやZuneストア(Xboxのオンラインストア)、アクトビラでも映画のレンタルサービスは既にあったわけだからAppleTVやiTunesが映画のオンラインレンタルをはじめたところで騒ぐ必要などないのではないか、といった論調のエントリーも幾つかみかけた。

しかし、使い慣れたiTunesの環境下で映像配信ビジネスが開始された影響は小さくない。
購入までのプロセスがコンパクトかつスムーズであるため視聴に至るまでのハードルが低く、気軽に購入ボタン(レンタル)が押せてしまう。

惜しむらくはストリーミングではなくダウンロード型なので購入のタイミングから視聴までにタイムラグがある点である。

記念すべき初回は「イブの時間」いうアニメ作品をレンタルすることにした。
ロボットと人間の関係をテーマとしたアニメ、という認識くらいしかなかったが、話題になった作品だったので以前から観てみようと思っていた一本だ。

(以下、アシモフのロボットシリーズを読んでいることを前提としてのメモ)

アシモフの「ロボットシリーズ」を読んで以降、ダニール(ロボットシリーズの主要登場キャラ・ロボット)と主人公のイライジャ・ベイリのコミュニケーション及び関係性にはこの世界(現代の我々)の問題をとくヒントがあるのではと思っている。

本作が描く関係性はロボットシリーズのそれと比較すると優しさと切なさが強く演出されているが問題意識の本質は同じように見えた。

ロボットという存在とのコミュニケーションでは人側に絶対的な優位性がある。
設定上、ロボット三原則によりロボットは悪意を持てない。
だからロボットとのコミュニケーションにおいては底意なく振る舞うことができる、かもしれない。
(対人だとそれが難しい。人の世界のルールの多くはコミュニケーションの問題に起因していると僕は考えている)
それが人と人のコミュニケーションと人とロボット(アンドロイド)とのコミュニケーションの最大の差異だと僕は考える。

「月は無慈悲な夜の女王」を読んだ時も同種のインスピレーションを感じた。
絶対的な信頼をベースとしたコミュニケーションがありうるとすれば上記の二作が描く関係性に基づくものなのではないかと。

この問題については引き続き考察を続けたい。
この時代においては以前にも増して重要なテーマだと思う。

時間も時間なので今宵はこのあたりで眠ろう。