5年ぶりの音 windVibe/坂本龍一&矢坂組/2002
(windVibe/坂本龍一&矢坂組/2002)
先日、5年ぶりに作品を見てきた。
windVibeは当時の我々のチームの集大成でもある。
この作品では屋上(46階)に設置された風速風向計を使い音場の動的生成・音楽の動的生成をおこなっている。「開かれた建築外部と閉ざされた建築内部を穿つ電子の穴」というコンセプトである。
最初のプランでは現実世界の風(風速風向データ)を電子の風に変換し、ネットワークの海に導き、電子の世界をめぐった風が再び現実世界の風(音)として再生される予定であったが当時のネットワーク環境では実現が難しく、外界と内界の接合にとどまった。
それでも嵐の情景と内界に鳴り響く優しい音がリンクしている感覚は新鮮であった。
モノリス状の2本のスピーカー柱(上記写真参照・それぞれスピーカーを2本内蔵)と壁面に埋め込んだもう4本のスピーカー、それと床面に埋蔵した数十個のスピーカーにより自在な音場生成環境を実現している。これによって音場によって音のカーテンを作り出し、境界を越えると聞こえなかった音が聞こえるという体験をつくりだすのが目的である。
この作品、汐留の電通本社ビル36階に設置されているのだがどの人に聴いても「音?あれ、鳴ってなかったヨ」と言われるのでずっと気になっていたが先日訪れてみると無事、音が流れていたので安心した。
5年前、このフロアにほぼ一ヶ月通った。
生まれて初めての高層ビルの工事現場であった。
仲間内しかわからない隠語であるけれど「突き指」「感電」「スタディ」もいまとなって懐かしい思い出である。
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