デジタル日本人
「大日本人」みたいなタイトルだがこれは10年前に高城剛氏が書いた本である。
この本には未来予想がたくさんでてきた記憶があった。
果たしてそれらの予想はどのていどあたったのだろうか?
そう思って10年ぶりに読み返してみた。
テクノロジーに関する記述の多くはいま読めば中学生の回答のように感じられてしまうが思想部分はかなり面白い。
特に終盤にでてくる
「日本=エージェント国家」
というコンセプトは興味深かった。
高城氏曰く、日本は世界にも類をみないエージェント機能に優れた企業を有する国家なのだそうである。
主要なエージェント企業として挙げられていたのは
「商社」「証券」「メインバンク(銀行)」「広告代理店」
であった。
「商社」という企業形態は日本だけだ、と書かれていたがこれは総合商社という形態を意味しているのだろう。
それにしてもエンターテイナーなプランナーとしては抜群に面白い。
10年前の本でもこれだけ面白く読ませるのはスゴイことだと思った。
高城氏の予想に関してだが、ゲームについての記述を引用してみよう。
「ゲーム端末をプラットフォーム化し、記憶媒体と拡張スロットをコンピュータと同じようにつければ、まったく新しいデジタルプラットフォームができあがる。(中略)64ビットのカスタムCPUとDVD-RAMで49800円で出荷できることだろう。」
など日本のメーカーは実装できなかったがマイクロソフトのXNA戦略などを彷彿とさせる。
そして、日本の生き残るべき道は「究極の幕の内弁当」をつくることである、と結論づけられている。ちなみに高城氏は
「コンビニこそが情報プラットフォームの未来である」
と述べていたが現在は東京・北海道・沖縄を拠点とし、ネットやメールから離れた暮らしを心がけており、コンビニもいまはなるべくいかないようにしているそうである。
最近も時々メディアでの発言を目にするが相変わらずトークは抜群に面白い。
エンターテイナーとしては稀代な人であるには違いない。
高城氏、二人の友人が知り合いだそうで「面白いよー」と絶賛していたが僕は会ったことがない。
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