「FinePix Real3D」なるほど富士フィルムは「未来は3Dへ」という考えなのか
下記の記事を読んで昨年、参加した慶應大学院でのミナミさんによるゲスト授業を思い出した。
ミナミさんは日本人ではじめてハーバードビジネススクールのインテリジェンスコースを終えた方で僕があったときは起業準備中だった。
実際にハーバードで使われた教材をつかってケーススタディを行ったのだがその時の題材が「富士フィルムvsコダック」であった。
1960年代(うろ覚えだが)、コダックはフィルムではトップメーカーで富士フィルムは目立つ存在ではなかった。
それが数十年の時を経て二社の立場は完全に入れ替わっている。
僕らに出された課題は富士フィルムもしくはコダック側に立ち、企業トップのアドバイザーとしてどのような企業戦略を実行すればよいかをアドバイスするというものだった。(いくつかのリアルな条件がついていた)
このケースが面白いのは両社ともにリアルな現場の資料が存在し、戦略立案の後、実際にとられた戦略と我々の立案した戦略とを照らし合わせて検証していくという点であった。
富士フィルムが凄かったのはフィルム事業(現像含む)の利益は銀の供給に左右される部分が多く、1980年代(うろおぼえなので違うかも。ようはかなり初期から)くらいから本気で「フィルムのないカメラ」の可能性の検証を戦略として盛り込んでいたことだった。
その事例を観ていただけに
裸眼で立体映像を楽しむことが可能な世界初の立体3Dデジタルカメラ「FinePix Real3D」の実機を触ってきました – GIGAZINE.
という記事を見ると
「なるほど今度は写真が3Dに向かうという未来を想定しているのだなあ」
と感心してしまった。
戦略が正しいかどうかはわからないが今ではなく確実に未来に焦点をあてて逆算してプロダクトをつくっていることを尊敬する。
どうやったらこのような企業の舵取りができるのだろう。
このタイミングで本気で裸眼立体視のカメラを出してくるのだから恐れ入る。
裸眼立体視といえば以前紹介した「センター・オブ・ジ・アース」のREAL Dはその後、普及しているのだろうか?
気になるところだ。