防衛省・自衛隊スペシャルコンテンツ「平和を、仕事にする。」 企業サイトではないがこの動画コンテンツの量はすごい
企業サイトでもここまでつくりこまれたものは少ないのではないだろうか。
上記は自衛隊のリクルートサイトである。
若手自衛隊員へのインタビューが中心のフルFlashなサイトである。
驚くべきはコンテンツの全てが動画によって構成されている点である。
タレントではなく現場の隊員に動画で話させるのは相当な労力がかかる。
編集に要する時間も尋常ではないだろう。
動画をみるとひとりのインタビューでも幾度かカメラのアングルが変わっている。
これなども相当なつくり込みである。
使われている動画は一人当たり数分だが収録にはかなりの時間がかかっているだろう。
その労のかいあってかコンテンツのクオリティはきわめて高い。
話もわかりやすく、テロップのバランスも良い。
完パケの動画コンテンツとしては最上級のレベルではないだろうか。
しかし、残念ながら本当にメッセージを「伝えたい」ならば、このやり方では刺さりが浅い。
幾つか理由が考えられるのだが、まず、
①奇麗すぎる
そのため微妙にリアリティに欠ける。奇麗な映像はつくられた感が強い。可能であれば取材とカメラそのものを隊員にやってもらうなどいくつかのバリエーションがあっても面白い。それとこれは致命的だと思ったが「死」と「戦闘」への言及がない。
②コンテンツ性が低い
ふと思ったのだがこの動画を観て自分は応募したいと思うだろうか?
あまりほめられたやり方ではないかもしれないが感情を揺さぶる要素がなければ行動には結びつかない。ほとんどの場合、理屈では人は動かない。人が動くのは多くの場合は「感情」によるもので、理屈は事後に考案される。演出でもいいがドラマが欲しい。
③他人に語らせる
隊員の声という主題は斬新でほんとによくできたコンテンツという印象だが別な視点があってもいい。例えば親や家族はどのように感じているのだろう。また地域の人はどう感じているのだろう。カウンターの立場をとる人はどう考えているのだろう。リクルート用コンテンツという枠がある以上やりたい放題につくることは難しいとは思うのだが他者に語らせることで浮かびあがる実像という見せ方があっても面白いのではないかと思う。
以上、よりよくするアイデアを書いてみたが全般的にかなりのつくり込みである。
欲を言えば、対談、インタビュー以外の声、といったものがあれば更に印象が変わったのではないかと思う。
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